鉄道車両省エネプロジェクト

最新の省エネ技術で新興国の環境改善に寄与

伊藤忠商事本社が2012年10月に受注しました、キエフメトロ(ウクライナ)地下鉄車両95両改造用に日本製を中心とする機器を供給する契約で、当社がウクライナの客先や各メーカーとの折衝を含め履行業務に携わっており、ウクライナの鉄道車両メーカー向けに駆動制御機器、補助電源、ブレーキ・システム等を供給しました。

本案件は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)とウクライナ環境投資庁(以下「SEIA」)が交わしたGIS(グリーン投資スキーム)(※)に関する契約に基づく事業として実施され、SEIAに対してNEDOが支払った温室効果ガス排出枠(AAU)購入代金が本契約代金の支払に充当されます。
キエフメトロが保有する旧ソ連製の地下鉄車両は老朽化が進んでいる為、その更新が急務となっています。
本案件により車両寿命を延ばすと同時に、既存の旧型直流駆動車両が日本製の最新のVVVFインバータ制御の交流駆動車両へと更新されます。
回生電力の利用と相俟って地下鉄車両の電力消費量が約35%削減される事で、ウクライナの省エネルギー政策の発展に寄与すると共に、CO2排出量の削減につながります。
本契約対象の95両改造車は2014年10月にはキエフメトロに対し全て無事完納する事ができました。
また同月中にはキエフ市長主催による完工セレモニーが行われ、改造完了地下鉄車両は既にキエフメトロ1号線において営業運転されています。

車両基地に停車中の車両

運転席の様子

なお本案件契約履行中にウクライナでは政変が起こり、ロシアによるクリミア半島侵攻に続きウクライナ東部一部地域が紛争化するなど想定外の非常事態にも見舞われましたが、紛争化した一部地域を除くとウクライナ全般としては治安・市民生活・経済活動は日常通りの平穏が保たれていました。
但し契約履行業務を継続するにあたっては万が一紛争が拡大化する場合を想定し、当社は伊藤忠商事キエフ駐在事務所と共に現地客先や関係諸機関と常に密接に協力し最新の情報収集を図りながら関係者の安全確保を常に最優先とする事に努めました。
こうした情報収集活動や、関係各社等との連携・調整業務は契約書上には直接記載されない事柄ですが、商社にとって欠かす事のできない大事な仕事のひとつです。

※GIS:(Green Investment Scheme) 京都議定書第17条に基づく排出量取引のうち、AAU等の移転に伴う資金を温室効果ガスの排出削減その他環境対策を目的に使用するという条件の下で行う、国際的な排出量取引のこと。

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